(魅力紹介)

それゆけ!神川探検隊~ヒトからヒトへ、オススメバトンタッチ旅~

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    小泉特派員が記事を書きました
    「初めて神川に来たのですが、オススメの場所はありますか?」

    そう尋ねた際に大抵難しい顔をされて
    「今の時期は見るものがあまりなくて…下久保ダムに行ってみたら?」と勧められます。

    本当に何もないのかな?と思いながらもとりあえず下久保ダムに行ってみることにしました。
    事前に調べたところ神川町は2006年に神泉村と合併(神川町HP参照)して今の形になったそう。
    なので神川町役場の近くにあるJR八高線丹荘駅は神川町の中でも端の方。
    神川町は南北に長いまちなんです。

     

    神川町市街地を探検 #ミートショップマルキュー

    住宅がコンパクトにまとまった町役場付近は近隣の方々が使用するお店がいくつかあります。
    駅で電車を待っていた方に
    「お腹空いてるんですけど、この近くでオススメのお店はありますか?」
    と聞いたところ、「ハンバーグ康」さんを紹介してもらいました。
    ハンバーグに目がない(お子様な)私はワクワクしながら向かうも、まさかの定休日…。
    また次の機会に伺いたいと思います。

    ただ横には「ミートショップ マルキュー」という精肉店が!

    小腹が空いていたのでお邪魔します。
    入ると店内特製の揚げ物が並んでいます。精肉店の揚げ物は間違いなくおいしいので、悩む悩む…
    結局大好きなコロッケを注文しました。
    ちなみに注文もできて、16時以降であれば揚げたてのものが買えるみたい!

    コロッケは身がサクサク。肉の旨味もギュッと閉じ込められている少し厚めのコロッケ
    じゃがいもだけでなく、肉の旨味と胡椒のスパイシーさがたまりませんでした。
    カレーパンも気になりますが、モノによっては予約が必要みたいです。

     

    神川町市街地を探検   #JA埼玉ひびきの 神川農産物直売所グリーンピア

    腹ごしらえも済ませ、次に向かったのが「JA埼玉ひびきの 神川農産物直売所グリーンピア」。
    直売所の方からは「かみかわ館」と呼ばれているので私もそれに倣うことにします。

    肉も知ったならやっぱり野菜も知らなければ!

    かみかわ館の特徴は神川の野菜や美里や児玉など地元や近隣のまちの安くて新鮮な野菜があるだけじゃなくて、
    まちの方々のコミュニケーションの場になっていること。

    直売所の店員さん、野菜などを出品しにやってくる農家さん、お店にやってくるお客さん、直売所の中では今日の天気や野菜の出来など常に話し声が聞こえてきます。
    それだけでお店のBGMになっていて、なんだか落ち着きます。

    訪問した日はとうもろこし祭の日!

    つい目に留まったのが、卵。野菜が好きな私はどうしても野菜ばかり見てしまうのですが、卵を買っていくお客さんが多いのです。
    不思議に思った私はちょうど出品しに来ていた鶏卵農家さんにお話を伺ってみました。


    「たまご、人気ですね!」
    ―うちの卵はありがたいことにファンがいてね。問い合わせもあるんだよ。

    「やっぱりこだわりがあるんですか?」
    ―こだわりはすぐには言えないけど選別したものを持ってきているし、新鮮なものを食べて欲しいと思っているよ。

    「私、野菜のPOPなど作るの好きなんですけれど、POPなど必要だと思ったことはありますか?」
    POPはそこまでいらないかな。お客さんとの交流はあるし、食べてもらえばわかるからね。

    国道沿いにあって気軽に行ける、
    でも神川の方々の買い物の場でもあるし、交流の場でもある「かみかわ館」。そこは

    農家さん一人一人がPR大使で、お客さんも生の情報から商品を選べる直売所

    でした。
    ちなみに一目でわかる「かみかわ館」の他との違いは「花・植木コーナー」があること。
    花は多くの直売所で取り扱っておりますが、ヤシの木などの植木を売っている直売所は初めて見ました…

    ヤシの木以外でも自宅でお気軽に育てられる植物もたくさん取り扱われているので行かれた際にはぜひ!

    国道沿いの「かみかわ館」の向かいには「道のオアシス 神川」もあります。
    食堂もあり、トイレもあり、ドライバーさんには便利な道の駅。
    しかし、ここにはそれだけじゃない、隠れた魅力があるのです…
    「かみかわ館」に毎週末出ているキッチンカーで今川焼を食べていたら、ちょうど居合わせたお客さんからお話を伺いました。

    「今、下久保ダムに向かっているんですけど、神川で面白いものないですかね?」
    ―今日(取材日は火曜日)はやっていないけど、コロナ前の日曜日には道のオアシスの駐車場でフリーマーケットやってたんだよ。

    「フリーマーケット!?」
    ―そうそう。ここは国道沿いだからトラックの運転手さんが日曜の午前にここに集まって、掘り出し物を並べるんだよ。それを見るのが面白くてね。

     調べてみると、毎週日曜日の午前中には「神川町骨董市」というマーケットが開催されていました。ただ今はコロナ禍ということもあり、お休みみたい。

    すごいディープな文化…一度行ってみたいです。


     いよいよ山添いへ… #おふろcafé 白寿の湯            

    既に神川のすごさに圧倒されながら国道を通りながら下久保ダムへ車を進めます。
    県道22号に入ってからは山並みの景色が増えてきました。
    すると、大きな駐車場が見えてきたので入ってみることにしました。
    入ったのは「おふろcafé 白寿の湯」

    直売所でお話した児玉からのお客さんも「よく行くよ」と言っていた人気の銭湯です。

    ここ「おふろcafé白寿の湯」は「伝統の湯治場を新しいスタイルで継承する」という考え方のもと、地域の湯治場を現代風に生まれ変わらせた面白い場所。

    電源があったり、Wi-Fiがあったり、コワーキングエリアがあったりとコロナ禍のワークスタイルに合わせたおふろなだけではなく、「まるで発酵食品のように一日のんびり」をコンセプトに糀や発酵食品を取り扱う食も提供しています。

    さらに、湯治場といえば、人との交流の場

    お風呂に集まった人が話し、関係性が「発酵」し新たなプラスの何かが生まれます。

    それは「おふろcafé 白寿の湯」さんでも同じ。
    例えば85日の「発酵の日」に合わせ、8月1日から8日にかけて「発酵ウィーク」というキャンペーンが行われていました。
    その中で「発酵マルシェ」というマルシェも1日、7日(8日は天候不順により中止)に開催されました。
    そこでは神川や美里など地元農家さんによる野菜の販売などが行われました。



    現代のライフスタイルに合わせながらも、湯治場として大切な部分は残し、

    「発酵食品」のように地域の人と人との関係も発酵されていく素敵な場でした。

    もちろん泉質もとてもよく、いつまでものんびりできてしまいます…ドライブ疲れを取るのにぴったり!

     自家野菜と県内野菜をおいしく食べられる神川メシ#レストラン南風 

    お風呂で汗を流したら、早くもお腹が空いてきました。
    なんかおいしいもの食べたいなって思いながら車を走らせると、レストランの文字を発見。

    おいしそうなお店の匂いがプンプンしたので躊躇せず入ります。

     

    お店の名前を見ると「レストラン南風(みなみかぜ)」
    テーブル席もあり、大人数で座れそうな広間もあるファミリー向け洋食屋さんです。
    メニューを見るとパスタやハンバーグをはじめとした種類豊富な洋食が広がります。
    ただふと目に入った「日替わりパスタ」の文字。
    一期一会の食との出会いは私のライフハック。もちろん聞いてみます。 

    「今日のパスタってなんですか?」
    ―今日のパスタは梅と大葉のパスタですね

    「あ、じゃあそれで!」 

    夏の暑い日には梅や大葉のさわやかさは絶対合う、そう確信した私は迷わず頼みました。
    日替わりパスタのセットのメニューはとってもオトク!サラダにドリンク(私はコーヒー)も付いてきます。

    サラダを食べながらスパゲッティの湯切りをする音に胸を高鳴らせていると、いよいよご対面です。

    なんと!想像以上の具沢山。

    ふんだんに散らされた大葉に、大胆に乗せられた梅。そして薄切りの玉ねぎにピーマンと野菜尽くし。野菜好きな私の期待値は一気に上がります。
    まずは一口混ぜずに食べてみると、底に隠れていたソースが現れます。野菜の出汁も絡まりとても濃厚。おいしい。大葉は新鮮さが分かるくらい爽やかな味。
    いよいよ梅も混ぜます。梅を混ぜると酸味で一気にパスタの味が締まる。フォークが止まらなくなります。
    それに輪切りにした唐辛子も入っているから辛みもアクセントになって飽きることがありません。
    あっという間にご馳走様です。

    食後はアイスコーヒーを飲みながら、南風のお母さんにお話を伺いました。

    「おいしかったです!野菜が本当に最高で…大葉と梅の相性最高でした。野菜がふんだんに使われていましたけれど、近くで育てた野菜なんですか?」
    ―ありがとうございます。野菜は県内産の野菜を使っていますね。大葉はうちで育てたものです。

    「県内産や地元の野菜にこだわる理由は?」
    ―やっぱり新鮮で、おいしいからですね。

    「お店はもう長いんですか?入口に新聞の記事が貼ってあるのを拝見しました。」
    33年やっていますね。

    「長いですね!飲食店をそこまで長く続けるなんて本当にすごいです…」
    「神川には初めて来るのですが、この時期オススメの場所はありますか?」
    ―うーん、この時期は自然を楽しみたいなら下久保ダムかな。梨はこれからだし、冬なら冬桜があるんだけどね。

    「冬にも桜は咲くんですね!」
    ―そうそう。春と冬に桜が見られるんだよ。冬桜はバーッて咲くわけじゃないんだけどね。

    「あとはどこかありますか?」
    ―ヤマキ醸造ってとこで醤油や味噌を楽しめるから行ってみたら?

     いろいろ気にかけてくれて本当に優しくておいしいお店でした…またお邪魔したいです!


     人との発酵、食の発酵 #ヤマキ醸造               

    地域の歴史が詰まっている醸造所は私の大好物なので、ヤマキ醸造に行ってみることにしました。
    いよいよ山に囲まれてきて、東京では聞けない蝉時雨がとても心地良い。
    アブラゼミだけではなくて、ミンミンゼミやクマゼミなどいろいろなセミの声が聞こえてきます。

    ※ぜひゼミの声を聞きながら記事を楽しんでください!

    車を走らせていると「ヤマキ醸造」を案内する看板が見えてきます。
    ワクワクしながら入ってみました。
    駐車場でまず見えてきたのが桶。昭和12年当時から使われてきた桶。
    この桶で蔵人が仕込み、味を染みこませてきて、今にも味は伝わっているはず。

    早速お店に入ってみました。
    お店の中には種類豊富な味噌や湯葉など置いてあります
    どれにするかキョロキョロしていると、お店の方から「味見してみますか?」と話しかけてくれました。ありがたい…

    ここではお店の方が作ってくださったお味噌汁を通じて味見ができます。
    今回は一番人気の玄米味噌を使用した味噌汁を味見しました。

    飲んだ瞬間、身体にじわーーーって染みわたる。塩分が濃い感じではないけれど、コクがあって味がしっかりしている。後味もしつこくない味。おいしい味噌だと確信しました。

     

    「このお味噌、本当においしいですね!!」
    ―ありがとうございます。味噌だけでもしっかり味が出るからダシも最小限にしか入れていないんです。

    「それなのにこんなに深い味なんですね。びっくりです。料理好きなんですけれど味噌汁の他にもオススメの食べ方ってあるんですか?」
    ―炒め物でもいいですし、私はチャーハンに使っています(笑)

    「チャーハン!?試したことなかったです。」
    ―油とともに最初に味噌を加えて炒めるんです。卵は色がついてしまうので最後に入れてさっと固める感じですね。

    「あ、私も卵は最後派です()
    「蔵の見学は今はやっているんですか?」
    ―今日はもう終わってしまいました(訪問時15時)が、もう少し早く来てもらえれば見学出来たんですけど…

    「ありがとうございます。今度はもっと早く来て蔵の見学もしますね!今から料理が楽しみです!」
    ―あとうちの味噌は無添加なので帰ったらすぐに冷蔵庫に入れてくださいね。黒くなってしまうので。

    「それはすごい!気を付けます!」
    「あと今日神川に初めて来たのですが、オススメの場所はありますか?」
    ―冬桜が近くにあるのもそうですけれど、この近くにカタクリが育っていて、時期ではないですけれど

    カタクリの花が綺麗ですよ。

    神川を楽しめるために丁寧にいろいろなことを教えていただきました。

      旅の終わりに #下久保ダム                   

    最後にやっと、今日出会ったいろいろな方から教えてもらった下久保ダムにたどり着きました。県境もまたいでいる雄大な景色が広がります。もっともっと神川そして神泉のことを知ってみたいと思った一日でした。

    やっぱり神川の人と話す中で感じたことは自然を尊重しているということ、自然と共に在るということをとても大切にしているように感じられました。


    「なんだあるじゃないか。神川の魅力。」