(魅力紹介)
1ちょっぽから始まる美里町の生活始めてみませんか?
0自己紹介
はじめまして!今月から埼北移住の特派員として記事を書かせていただく、小泉勇輔(ずみ)と申します。
普段は「ローカル遊び人」として日本全国さまざまな地域の食や地酒を通じて、人との交流を楽しんでいたり、本庄野菜の魅力をさまざまな観点からPRする「農業サークルこだま」の一員として直売所のPOPの作成や本庄野菜を使用したメニュー開発など行っていたりします。
そんな私ですが、生まれて19年間地元静岡県沼津市でずっと暮らしてきました。埼北に訪れ始めたのもここ2年ほどの出来事です。でもだからこそ、移住したい!という方と同じ目線で魅力を発信できるのかなと思うのでぜひ記事を楽しんでいただければ幸いです。
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「美里町に行くならやっぱりブルーベリーでしょ。」
友人3人とそう話しながら休日に車で国道254号沿いを走らせていると、緑豊かなブルーベリー農園が目に入ってきます。
美里町はブルーベリーが有名なまち。
国内最大規模のブルーベリーの産地で、国道沿いにある直売所には「こんなに種類があったの!」というくらい豊富なブルーベリーの品種が取り扱われています。
お腹が空く。そしてうどん屋に入る
しばらく走っていると小さなうどん屋さんが見えてきました。
ラーメン、そば、うどん…麺類ならなんでも大好きな私が目に付いたのは「美里産地粉」という言葉。埼玉はうどん大国。しかも地元の小麦を使っているなんて絶対おいしいだろう、と気が付いたら右折していました。
看板を見ると「田舎うどん かあちゃん」。
入口横の県民の鳥「しらこばと」に埼玉愛を感じながら暖簾をくぐります。
お店に入ると昔ながらのカウンター席と小上がり席と、天麩羅を揚げる心地いい音と香ばしい香りが広がります。
小上がり席に腰かけ、メニューを広げると、いろいろなうどんセットが用意されていました。「天ぷらセット」「もつ煮セット」。さらにお店を見渡すとホワイトボードに「餃子」「モロキュー」「エシャロット」…。
コワモテのお父さん、そして地元野菜へのこだわり
魅力的なメニューに心躍りながらも選ぶのに悩んでいると
「うちは天ぷらセットがおすすめだよ」とお父さんが話しかけてくれました。
「うちで使っている野菜は近くの畑で作っているからね」
この日の天ぷらはナス、玉ねぎ、いんげんといった旬野菜たち。
新鮮な野菜は季節や日によって変わるから野菜好きな方、安心して野菜を食べたい方も大満足です。
「暑かったでしょ。冷たいの飲みな」
友人2人は「天ぷらセット」。もつ煮に目がない私は「もつ煮セット」を注文しました。
注文を終えておなかをすかせながら、うどんの到着を待っていると
「暑かったでしょ。冷たいの飲みな」とお父さん。
なんととうもろこしのひげ茶を出していただきました。お父さんのご厚意に甘えてひげ茶を飲み、火照った体を冷やしていると、この埼玉の暑さも悪くないな、と思えてきました。
しばらくするとカウンターの奥からお母さんが野菜を揚げる気持ちのいい音が聞こえてきます。
ついつい天ぷらの衣を揚げる時に落としてしまう私にとってお母さんは熟練の域。思わずカウンター近くで噛り付くように見てしまいました。
「なんで地元の野菜にこだわるのですか?」とお母さんに聞いてみると
「やっぱり新鮮な野菜が一番おいしいからね」とお母さん。
新鮮なナスだからこそナスのうまみの香りが鼻腔を突き、おなかを空かせてきます。
するとお父さんから「うちの店のうどんは打ち機を使っていないからね」と話しかけてきてくれました。
ここのお店で使われているのは「農林61号」。
よくよく調べてみると、「農林61号」は小麦の品種。うどんにすると豊かな風味と味が広がるそうですが、今では生産効率がよい品種に取って代わられてしまい、幻の品種なんだとか。
待望のうどんタイム!
「天ぷらうどん」には天ぷらの他にきんぴら、いんげん、ねぎ、ぬかづけ、まさに野菜の玉手箱です!!
幻の小麦、農林61号を使用したうどんは普通のうどんより黒め。
まずは麺だけをもぐもぐ…
チェーン店で食べるうどんとは全然違う小麦の香り、そしてコシ。
こだわったうどんとこだわった打ち方。二つが掛け合わされ、これまで食べたことがないうどん体験です。まさに未知との遭遇。
次に天ぷら。お店に入ってからずっとずっと食べたかったナスの天ぷらとの対面です。
旬のナスは色から新鮮さが伺えます。口に入れてみるとサクサクジュワ。ナスの旨味が閉じ込められた天ぷらはそのままでもとてもおいしい。
一緒に食べたご飯もこの周辺地域のお米を使っているそうです。
副菜としてきんぴらを口に運ぼうとしたら
「途中できんぴらとか天ぷらとかをつゆに入れると味が変わるんだよ」とお父さん。
どう食べるか迷い箸をしている私たちにアドバイスしてくれました。
アドバイス通りに天ぷらやきんぴらをつゆに入れると、自家製のつゆに野菜の旨味が加わり、いくらでも食べられてしまう悪魔のうどんに様変わりです。
もつ煮ももちろん店内手作り。じっくりほろほろに煮込まれたもつと地元の野菜のもつ煮はおつまみにもいいですが、ご飯がすすむすすむ。
口直しにぬか漬けを頬張ると、普段食べているぬか漬けとは一味も二味、それ以上に違いました。
ぬか漬け独特のクセがなく、やわらかなぬかと野菜の旨味が口いっぱいに広がります。もちろんぬか漬けだけでも最高なのですが、ご飯と合わせると、これ以上ないおいしさ。
あっという間にご飯を食べきってしまいました。
「こんなにおいしいぬか漬け初めてです!」と私。
するとお父さんから「うちはぬか漬けも手作りだからね。」と。ちょっとした小皿にもぬかりないこだわりが詰まっていて食べていてとても楽しかったです。
「まだご飯食べる?」
友人と「うまいね、来てよかったね。」と言い合っていると、またまたお父さん。
「まだご飯食べる?うどんも食べたければ持ってくるから。汁はまだある?」
なんとおかわりのサービスまで…。これはお腹を空かせてきた甲斐があったものです。最初は遠慮したものの結局、うどんもお米もおかわりしてしまいました。
はじめましてと思えないくらいサービスしていただき本当に嬉しかったですし、このお店、そして美里町の一員になれたような気がしました。
住みやすいまち、住みたい暮らしができるまち、美里。
食後にはお母さんがお茶とお茶請けを持ってきてくれました。
比較的店内も落ち着いている時間でしたので少しお話を伺いました。
「もともとうどん屋さんだったのですか?」
お父さん「もともとはトラックの運転手だったり、別の居酒屋やってたんだよ。でもお母さんがうどんやりたいっていうから引っ越してきたんだよね。」
「素敵なお店ですね。ボトルキープされているお酒が多いですけれど、美里の方がよくいらっしゃるんですか?」
お父さん「そうだね。ここらへんの人が多いよ。人によっては家まで送り届けることもあるよ。」
「家まで送り届けるんですか!東京にはない感覚だから新鮮です…それほど美里の方に愛されているんですね。
「最後に美里町の魅力ってどういうところだと思いますか?」
お父さん「美里はいいとこだよ。住みやすいしさ。引っ越して来たら?」
「そう言ってもらえて嬉しいです…ありがとうございます。ここのお店はもう私の第二の我が家です。また来ますね!」
お父さん「あ、あとうどんは1ちょっぽ、2ちょっぽってここらへんでは数えるんだよ。」
「ちょ…ちょっぽ…?初めて聞きました。」
多くの人が行き交う国道沿いにある小さなうどん屋さん。そこは
美里町を愛する人なら誰でも常連になれる、美里町が好きになってしまうオアシス
でした。1ちょっぽから始まる美里の生活始めてみませんか?